転職の年収交渉をいつ切り出すかと、任せられる範囲
交渉の中心は内定後の条件提示の場です。エージェントに任せる場合、交渉を代行すると明示しているのは掲載201件のうち14件にとどまります。任せられる範囲と自分で言う範囲を分けて整理しました。
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地方に住んでいて転職サービスに登録し、求人が出てこなかったという経験は珍しくありません。原因は3つに分かれ、どれに当たっているかで打つ手が変わります。
エージェントが紹介できるのは、そのサービスが企業と契約している求人だけです。契約している企業は都市部に多く、地方の企業とは契約が無い場合があります。
全国が対象と書かれていても、扱う求人が全国に均等にあるという意味ではありません。ここが「対象なのに紹介が来ない」という食い違いの中心になります。条件の欄には現れないため、面談で聞くまで分かりません。
企業の側から見ると、紹介で採用すると年収の3割前後の手数料がかかります。地方の中小企業がその費用をかけて採用するかどうかは、募集の緊急度と職種によって分かれます。ハローワークや自社の採用ページで足りるなら、紹介の経路を使う理由がありません。求人が偏るのは、担当者の姿勢ではなく、この費用の構造から来ています。
首都圏の拠点から全国を担当している場合、地方の労働市場を知らないまま話が進むことがあります。地元では名の通った企業を知らない、通勤の距離感が合わない、といった噛み合わなさが起こります。
これは担当者の怠慢というより、担当する範囲の広さから来ています。地域を限っているサービスは、この点で有利になります。
面談がオンラインで完結する形が増えたことで、拠点の場所は以前ほど問題になりません。それでも、企業の内情を見て回れる範囲は拠点から離れるほど狭くなります。地元の企業について具体的な話が出てくるかどうかは、1回目の面談で見分けられます。
地域を限っているサービスは48件しかなく、その分布も偏っています。次の節で数を見ます。
以下の件数は、2026年8月時点で掲載している201件を数えたものです。
対応地域を都道府県で限っていないサービスは153件でした。全体の4分の3を超えます。この153件は、条件の上ではどこに住んでいても対象になります。
残る48件が対応地域を明示しているサービスです。「地方だと使えるサービスが少ない」という印象は、この48件の分布から来ています。ただし母数の大きい153件は地域を問わないため、選択肢がゼロになることはありません。
地域を明示している48件のうち、対象が1県だけというサービスはわずかで、多くは数県をまとめて対象にしています。首都圏の1都3県、関西の2府1県といったまとまりが多く、県境ではなく通勤圏で区切られています。
都道府県ごとに、対象になるサービスの数を数えました。全国対応の153件に、その県を対象にしている地域限定のサービスを足した数になります。
東京は197件、神奈川は193件、千葉と埼玉は192件、京都は189件、大阪は187件です。愛知は176件、兵庫は174件、福岡は168件と続きます。北海道は160件、宮城と広島は155件でした。
最も多い東京と、地域限定が7件の北海道を比べると差は37件です。倍の開きがあるわけではありません。条件の上での選択肢は、地方でも8割程度が残ります。
地域限定のサービスが対象にしている県を、地方ごとに並べます。数字は、その県を対象にしている地域限定のサービスの件数です。ここに全国対応の153件を足したものが、条件の上での選択肢になります。
首都圏では、東京が44件、神奈川が40件、千葉と埼玉がそれぞれ39件、茨城が5件、群馬が4件、栃木が3件、山梨が2件でした。1都3県とそれ以外で、10倍近い開きがあります。
関西では、京都が36件、大阪が34件、兵庫が21件、奈良が12件、滋賀が5件、和歌山が3件です。京都が大阪を上回っているのは、京都を対象に含めるサービスがたまたま多かったためで、求人の数を表すものではありません。
中部では愛知が23件、岐阜と静岡がそれぞれ8件、三重が6件でした。九州は福岡が15件、熊本と佐賀がそれぞれ2件です。北海道・東北では北海道が7件、宮城が2件にとどまります。中国地方は岡山が3件、広島と山口がそれぞれ2件でした。
この数字は掲載しているサービスの条件を数えたもので、その県の求人の多さを表すものではありません。地域限定のサービスが少ない県でも、全国対応の153件がその県の求人を扱っている場合はあります。
地域限定の48件が対象にしている県を数えると、26県になりました。残る21県には、その県を明示して対象にしているサービスが1件もありません。
この21県に住んでいる場合、選べるのは全国対応の153件だけになります。地元の事情を前提にした支援を求めるなら、掲載している範囲では見つかりません。ハローワークや、地元の商工団体が行う相談の窓口が、その役割を担う場合があります。
21県に地域限定のサービスが無い理由は、当サイトがまだ調べ切れていない可能性を含みます。掲載数は市場の全体ではなく、条件を確認できた範囲の数です。地元で名前を聞くサービスが載っていない場合、その旨を前提に読んでください。
もう1つの読み方として、地域限定のサービスは人口の集中する場所に集まる、という単純な事情もあります。紹介で成り立つ事業は、求職者と企業の双方が一定の数だけ集まる場所でないと続きません。県ごとの件数は、その事業が成立する規模の分布に近いものになります。
下の表は、対応地域の異なる3件を並べたものです。対応地域の行を見比べると、同じ「転職エージェント」でも届く範囲が違うことが分かります。
数が少ないことは弱みだけではありません。範囲を絞った側にしかできないことがあります。
対応地域を数県に限っているサービスは、その範囲の企業と直接の関係を持っていることが多くなります。全国を担当する側からは見えない、地元でしか知られていない企業の募集が入ってくる場合があります。
同じ理由で、通勤の現実的な範囲や、地域ごとの賃金の相場についても具体的な話が出てきます。全国の平均値ではなく、その県の話として聞けます。
対象を絞っているサービスは、対象に入る人には濃い支援を用意している場合があります。紹介できる人数が限られるため、1人あたりにかける時間が長くなるという構造です。
ただし条件から外れると、まったく紹介を受けられません。対応地域が6県のサービスは、7県目の人には何も返しません。条件の確認が、全国対応のサービスより重要になります。
隣県に住んでいて通勤できる場合でも、条件の欄が県で書かれていれば県で判定されます。通える範囲かどうかは面談で相談できますが、登録の時点で弾かれることもあります。県境をまたいで通っている場合は、勤務地の県とお住まいの県のどちらで見られるかを確かめてください。
条件の欄の書き方には幅があります。読み方を知っておくと、外れているかどうかを早く判断できます。
対象の県が列挙されている形です。当サイトでは、公式サイトで確認できた県をそのまま載せています。列挙されていない県は対象外と読んでください。
拠点の所在地と対応地域は別です。東京に拠点があるサービスが全国を対象にしていることもあれば、拠点のある県だけを対象にしていることもあります。会社概要の住所ではなく、対応地域の記載を見てください。
対応地域を限っていないという意味で、その県の求人を持っているという意味ではありません。この違いが、地方で登録したときの落差の正体になります。
当サイトでは、県の指定が無いものを全国対応として扱っています。153件がこれにあたりますが、扱う求人の分布までは調べられていません。ここは面談で聞く領域として残ります。
住む場所を変えるかどうかで、探し方が変わります。
いまの県で働き続ける場合、対応地域にその県が入っているサービスを探します。地域限定のサービスがある26県なら、そこを起点にできます。無い21県では、全国対応の153件から始めることになります。
全国対応のサービスに登録する場合、面談の早い段階で「この県の求人をどれくらい扱っているか」を聞いてください。扱いが薄いと分かれば、時間を使う前に別の手に切り替えられます。
移る前提なら、対象になるサービスの数は移る先の数になります。東京へ移るなら197件、大阪へ移るなら187件が条件の上での対象です。地方から都市部へ動く場合、選択肢は明確に増えます。
面接の日程と交通費が負担になるため、オンラインでの面接に対応しているかを先に確かめると進めやすくなります。引っ越しの時期を選考の途中で聞かれることもあるので、いつから動けるかを決めてから始めるほうが話が早く済みます。
移る先が決まっているなら、その県を対象にしている地域限定のサービスも候補に入ります。東京へ移るなら44件、大阪へ移るなら34件が、その地域を明示して対象にしています。住んでいる場所ではなく働く場所で見るサービスもあるため、登録の際に移る予定を伝えてください。
下のカードは、対応地域を6都府県に限っている1件です。条件の欄に県名が並んでいるサービスは、その範囲の外には届きません。
登録の前に2つ見ておくと、無駄な時間が減ります。
条件の欄に県名が並んでいるサービスは、その範囲だけが対象です。「全国対応」と書かれていれば地域では外れません。当サイトでは調べた範囲の対応地域を各ページに載せています。
年齢の条件と重ねて見てください。地域が合っていても、年齢の上限を設けている78件のどれかに当たると、そこで外れます。
ここが最も見落とされます。対応地域を限っていないことと、その地域の求人を扱っていることは別です。条件の欄からは読み取れないため、面談で聞くしかありません。
聞き方は難しくありません。登録した県で、いま紹介できる求人がどれくらいあるかを尋ねるだけです。答えられない、あるいは数が極端に少ないと分かれば、そのサービスに時間をかける理由が薄くなります。
4問に答えると、対応年齢・対応地域・就業状況の条件に合うサービスだけが残ります。掲載しているのは転職サービスで、求人情報ではありません。
4問に答えると、対応年齢・対応地域・就業状況の条件に合うサービスだけが残ります。掲載しているのは転職サービスで、求人情報ではありません。